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本プロジェクトは、ユニークで力強いビジュアルコミュニケーションを通じて、ブランドの第一印象を決定づけることを目的に進められました。クライアントから求められたのは「人々の記憶に深く残る、一瞬で視線を奪う表現」です。そのため、写真撮影からアートディレクション、そして最終的なグラフィック展開に至るまで、徹底して「瞬発力のある印象」を意識しました。
採用したビジュアルは、犬という身近な存在をモチーフにしながらも、真正面からの視線と舌を出すしぐさによって、人間の目を強烈に引き寄せる構図を実現しています。このユーモラスなシーンは、単なる愛らしさにとどまらず、挑発的で、同時に親しみを感じさせる要素を併せ持っています。そのため広告やSNSなど多様な媒体に展開しても、瞬時に共感と拡散を生み出すことができました。
デザインの観点では、背景に映り込む都市的要素を意識的に調整し、ブランドが持つモダンな印象を損なわないよう配慮しました。また、彩度やトーンを細かく調整することで「赤い舌」がひとつのアクセントとして機能し、全体の印象を強く記憶に刻ませる構成を目指しました。
プロジェクト全体を通じて感じたのは、「一見ユーモラスな瞬間」が実はもっとも人間の感情に直結する、ということです。デザインは時に理性的な判断よりも、直感的な感覚に訴えかける必要があります。このプロジェクトはその実例であり、ブランドにとって新たなコミュニケーションの可能性を広げるものとなりました。
